研究概要 |
今年度は採取した子宮内膜より子宮内膜間質細胞の分離・培養を行い、interleukin (IL)-6,IL-8およびmacrophage colony-stimulating factor (M-CSF)の産生の検討を行った。 IL-6,IL-8およびM-CSF産生はIL-1添加で促進され、またIL-1およびIL-1 receptor antagonistの同時添加でIL-6,IL-8およびM-CSFはIL-1添加時と比べて産生が抑制された。また、IL-1およびceramide analogの同時添加ではIL-1添加時と比べて産生がさらに増加した。採取した卵胞液中のケモカイン濃度を測定し産生調節を検討した。卵胞液中のmacrophage inflammatory protein (MIP)-3αは血中のそれらと比較して高濃度であった。各卵胞液をMarrs et al.(1984)の分類を用いてimmature、intermediate、matureに分類したところ、MIP-3αはimmatureと比較してmatureで高値であった。卵胞液より顆粒膜細胞を分離・培養し、また顆粒膜細胞の継代培養細胞株であるGC1a(熊本大学医学部、岡村教授より供与)も培養した実験ではIL-1、tumor necrosis factor (TNF)-αの添加で産生は促進した。 これらのサイトカイン・ケモカイン産生が血管新生にどのような影響を及ぼしていくのか、現在検討中である。
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