研究課題/領域番号 |
15591768
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
寒河江 悟 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (00187056)
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研究分担者 |
工藤 隆一 札幌医科大学, 医学部, 教授 (70045409)
時野 隆志 札幌医科大学, 医学部, 教授 (40202197)
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キーワード | 抗癌剤耐性 / 卵巣癌 / cDNAマイクロアレイ |
研究概要 |
卵巣癌における主要な組織型の細胞株を収集し、それぞれに現在臨床的に用いられている主要な抗癌剤であるTaxane系の、Paclitaxel及びDocetaxel、プラチナ系製剤のCDDPとCBDCAを投与した。Taxane系及びプラチナ系それぞれに対して感受性のある細胞株、耐性株を用いて、これら細胞株に一定時間、各種抗癌剤を暴露し、その投与前後における遺伝子群発現のパターンの変化を主としてcDNAアレイテクニックを用いて検討し、各種抗癌剤効果発現、耐性獲得におけるアポトーシス関連遺伝子群の変化を検討した。 その結果、漿液性卵巣癌細胞株KF及びそのPaclitaxel耐性株KFTXを用いた検討で、Paclitaxelの効果発現にはP53非依存性でミトコンドリアを介するアポトーシス経路に関与する遺伝子群、特にApaf-1の発現増強が重要であり、耐性株KFTXではこの経路の抑制が認められること、さらにアポトーシス抑制にかかわるbag-1、hsp70の発現が耐性株で増強していることが認められ、論文で報告した。現在、bag-1に対するantisense oligonucleotideを用いて、これを耐性株に導入して薬剤耐性がどう変化するか、また関違する遣伝子群の変化につき検討している。更に現在、Paclitaxelと並ぶもうひとつの代表的Taxane系抗癌剤であるDocetaxelを用いて、同様にKF及びそのPaclitaxel耐性株KFTXに作用させマイクロアレイでアポトーシス関連遣伝子群の変化を検討している。同じTaxane系薬剤であるがPaclitaxelとDocetaxelは、共通のアポトーシス経路のみならずそれぞれの薬剤に固有なアポトーシス経路により薬剤効果を発現していることがわかった。
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