研究概要 |
核酸類似蛍光色素acridine orange(AO)はsperm chromatin structure assay(SCSA)に用いられ,ヒト射出精子核蛋白組成の成熱性(protamination>と受精能の判定に有用であると報告されている.その方法には蛍光顕微鏡を用いるAO testとflow cytometry<FCM>がある.それぞれの方法により得られたParameterについて比較検討したところ、%green(AO test)とXgeen(FCM)の間には負の(r=0.411,P<0.01,n=50),%red(AO test>とXred(FCM>の間には正の相関が観察された(r=0.520,P<0.01,n=50).%redとCOMP<cells outside the mean population)<FCM)の間に有意な相関性はなかった(r=0.046,P=0.675、n=50)。FCMにより得られたparameterと体外受精における受精率との相関では,%geenと相関性のあるAO testとは異なりXgreenには相関を認めず,Xred(r=0.344,P=0.011,n=50)およびCOMP(r=0.309,P=0.023、n=50)に弱い負の相関を認めた今回の検討からSCSAの際にはそれぞれの方法に有用なparameterを選択し評価する必要性が指摘された。 今後は、卵細胞質内精子注入法(ICSI)に用いられる精子のSCSAを行い、胚発生異常のメカニズム解明に本研究を応用していく方針で、現在解析中である。
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