研究課題/領域番号 |
15591777
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
久慈 直昭 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (80169987)
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研究分担者 |
田中 雄大 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40317194)
吉田 宏之 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10327596)
吉村 泰典 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (10129736)
小松 節子 独立行政法人・農業生物資源研究所, 遺伝子応答研究チーム長 (90355751)
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キーワード | ヒト / 精子 / プロテオーム / タンパク質リン酸化 / 凍結保存 / 糖タンパク |
研究概要 |
前年度、ヒト精子プロテオームマップ作成、凍結融解によるスポットパターンの変化について検討を行ったが、本年度はマウス精子発現タンパクとヒト精子との比較、レクチンを用いた糖タンパクの解析、不妊との関連、そして精子機能とリン酸化の関連を検討した。 ヒト、およびマウス精子膜抽出タンパクよりヒトでは560個、マウスでは318個の独立したスポットを認め、各々118個、94個についてタンパク質の同定が可能であった。マウスとヒト精子両方ともに確認されたタンパクは、すでにプロテオーム解析によってその存在が確認されているcalreticulin、HSP90の他に、nichotinic acetylcholine receptor、G-protein coupled receptor、ZFP35、cAMP response element binding proteinなどであり、今後の精子機能解明に大きく寄与すると考えられる。 またマウスをモデルとして、精子内におけるcAMPを介するシグナル伝達系の先体反応への関与を検討した。PKA刺激剤であるH8を作用させた精子を^<32>P-ATP存在下で培養すると、先体反応が誘起されるとともにオートラジオグラフィーにてリン酸化が増強される45kDのタンパクを認め、現在このタンパクが何であるかを解析中である。 臨床へのアプローチとして、不妊男性患者からの検体はゲルに現れたスポットパターンから大きく3つに分けられることが明らかになった。現在、3群間で量の顕著に異なるタンパクの同定を行い、精子機能との関連を解析中である。 一方レクチン染色により糖タンパクを検出する試みは、残念ながら現時点では明らかな結果が得られていない。今後、レクチンカラム処理後の抽出液を展開するなど、転写した膜をレクチン染色するというアプローチと異なる方法の検討が必要と考えられた。
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