研究課題/領域番号 |
15591778
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
進 伸幸 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (90206459)
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研究分担者 |
青木 大輔 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (30167788)
阪埜 浩司 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70265875)
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キーワード | 子宮体癌 / マイクロサテライト不安定性 / ミスマッチ修復遺伝子 / hMLH1 / メチル化 / 免疫組織化学 / 薬剤感受性検査 / HDRA法 |
研究概要 |
進行した子宮内膜癌症例では、術後補助治療が必要とされる場合も多く、化学療法または放射線療法のいずれを選択すべきかについてのevidenceはまだ得られていない。このような現状の中で、個々の症例毎に予後に影響を与える分子生物学的因子を検索し、腫瘍の個性診断を行い、それに基づくオーダーメード化医療の確立が切望されており、マイクロサテライト不安定性(MSI)が内膜癌の術後治療の選択において重要な情報となり得る可能性が高いと考えられる。そこで、MSIがどのようにシスプラチン感受性に関連しているかを、さらにタキサン製剤など他の抗癌剤への感受性とMSIとの関連を検索した。Histoculture Drug Response Assay(HDRA)法による薬剤感受性検査では、殺細胞効果判定にはMMT assayを用いて各検体に対する各薬剤のIC50値を算出し、低感受性群と高感受性群に群別するためcut-off値を算出した。体癌MSI陽性15例におけるcisplatin低感受性の頻度は93%でMSI陰性群より有意に高く、MSI陽性群がcisplatin低感受性を示す事実を、臨床検体を用いて初めて確認した。また、複数の子宮内膜癌細胞株でメチル化されたhMLH1遺伝子のpromoter領域を脱メチル化処理をかけることにより、cisplatin感受性が改善するin vitro系の事実も確認され、hMLH1遺伝子のpromoter領域のメチル化の有無が術後補助療法の選択において重要な情報であることが判明した。
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