研究課題
基盤研究(C)
第XII因子はカリクレイン-キニン系の蛋自であり、utero-placental unitに存在して血液凝固線溶系や妊娠維持に重要な役割を果たしていることが最近になって明らかになってきた。我々は既に、不育症患者において第Xll因子欠乏症が高頻度に存在する事、さらには不育症患者における第XII因子に対する自己抗体の存在を報告した。今回我々は、不育症患者について第XII因子に対する自己抗体の陽性頻度を検討した。第XII因子欠乏不育症患者43人中、23人(53.5%)が抗第Xl咽子抗体陽性(p<0.001、オッズ比36.8)、第XII因子活性正常不育症患者40人中では、10人(25.0%)が陽性であり(p=0.02、オッズ比10.7)、それぞれ正常対照群(33人中1人陽性)と比較して統計学的に有意に頻度が高かった。また、不育症患者において抗第XII因子抗体の存在と第XII因子欠乏の関係は、統計学的に有意であった(p=0.008、オッズ比3.45)。さらにWestern blotで検討したところ、抗第XII因子抗体は第XII因子のheavy chainを認識する事が明らかになった。第XII因子のアミノ酸配列を文献的に考慮して合成ペプチドを作成し、epitope mappingを施行したところ、amino-terminalの1-28のアミノ酸を認識した。第XII因子は血小板膜糖蛋白のglycoprotein lb-IX-V複合体に結合し、トロンビン依存性血小板凝集を抑制することが報告されている。また、その抑制部位は第XII因子の1-28のアミノ酸上にあると報告されている。今回の我々のデータは、抗第XII因子抗体が、第XII因子の血小板抑制作用を阻害し血栓、流産を引き起こしている可能性を示唆するものである。
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