研究分担者 |
シェイク アリムザマン 日本大学, 医学部, 助手 (10277436)
千島 史尚 日本大学, 医学部, 講師 (50277414)
山本 樹生 日本大学, 医学部, 教授 (40167721)
本多 三男 国立感染症研究所, エイズ研究センター, 第一研究グループ長 (20117378)
根本 則道 日本大学, 医学部, 教授 (80096875)
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研究概要 |
妊娠カニクイザルにSHIVを静脈投与することにより、子宮内感染を来たす系を確立した。このサルモデルにより以下の事実が判明した。 1】経胎盤感染は妊娠初期,中期、後期いずれの時期にも生じえるが、ウイルスの血中濃度に依存する。 2】垂直感染に先立って脱落膜大顆粒リンパ球、胎盤絨毛細胞,Hofbauer細胞にSHIVが感染を来たす。 3】脱落膜CD56陽性リンパ球はサル、ヒト共にCD4非依存,CCR5あるいはCXCR4依存性にHIV(ヒト),SIV(カニクイザル),SHIV(ヒトおよびカニクイザル)に感染する。 4】この感染はケモカイン(RANTES,MIP-1alpha,MCP-1)によって抑制されるが抗CD4抗体,CD4に結合するIL-16による抑制を受けない。従ってCD4非依存性の感染である。 5】SHIV感染カニクイザル胎盤では絨毛細胞に8-OHDG HNEが強く染色され,強い酸化ストレスの存在が示唆された。また、TUNEL染色でapotosisに陥った細胞の増加が認められた。 6】HIV (SHIV)に感染したヒトあるいはサル胎盤絨毛細胞は急速にアポトーシスに陥るがtatを介する場合と介さない場合がありその詳細な機序は不明である。 7】胎児免疫臓器(脾,リンパ節,胸腺)では広範なリンパ球のアポトーシスが認められたが必ずしもSHIVの取り込みは見られず,Nf kb Ikbの活性化が見られ、サイトカインやPD-L1などの関与が示唆された。 8】現在アポトーシスに関わ細胞内シグナル伝達機構の解明と、ワクチンによる垂直感染の抑制を検討中である。
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