研究課題/領域番号 |
15591783
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
中井 章人 日本医科大学, 医学部, 助教授 (20227721)
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研究分担者 |
三宅 秀彦 日本医科大学, 医学部, 助手 (40297932)
関口 敦子 日本医科大学, 医学部, 助手 (20318504)
朝倉 啓文 日本医科大学, 医学部, 助教授 (30167879)
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キーワード | ミトコンドリア / エネルギー代謝 / 胎児脳 / 低酸素 / 電子顕微鏡 |
研究概要 |
本研究は、胎児、新生児期の低酸素傷害による脳神経発達障害とアポトーシスと密接に関連するミトコンドリア膜透過性遷移(mitochondrial permeability transition;mPT)の関連を明らかにすることを目的としている。そのため、平成15年度は、ミトコンドリア単離手技と電子顕微鏡によるミトコンドリア観察手技の確立を目的に以下の検討を行った。 妊娠20日目のラットを対象に、片側子宮動脈30分間虚血・再灌流モデルを作成。虚血前、虚血終了直後、再灌流1時間、4時間、8時間で、帝王切開にて胎仔を娩出、直ちに断頭し、脳組織を摘出、homogenateを作成、細胞分画法にてミトコンドリアを単離した。単離ミトコンドリアの呼吸機能活性は、微量検体用のchamber内で、クラーク式酸素電極を用い測定した。 その結果、虚血により一過性に低下したミトコンドリア呼吸機能は、再灌流により改善するものの、再灌流4時間以降、遅発性に二次的な不全に陥ることが明らかになった。この成績はpreliminaryに行った組織エネルギー代謝の推移と一致し、脳神経発達障害と密接に関連する遅発性のエネルギー代謝不全がミトコンドリア機能障害によるものであることを明らかにした。 また、同様の実験系で電子顕微鏡による観察を行い、遅発性のミトコンドリア機能障害に伴い、ミトコンドリアが著明な膨化を示すことを確認した。 次年度は、このミトコンドリアの膨化がmPT発現によるものか否か、mPT抑制作用が知られる免疫抑制剤の効果やcytochrome c放出との関連から検討してゆく予定である。
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