研究課題/領域番号 |
15591791
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研究機関 | 愛知県がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
那波 明宏 愛知県がんセンター, 研究所, 研究員 (90242859)
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研究分担者 |
鶴見 達也 愛知県がんセンター, 研究所・腫瘍ウイルス部, 部長 (90172072)
西山 幸廣 名古屋大学, 大学院・医学研究科ウイルス学, 教授 (60115615)
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キーワード | HSV / タキソール ブロドラック / アンプリコン / Rabbit carboxylesterase / MDR |
研究概要 |
卵巣癌治療に適した抗腫瘍効果を有する新規ヒト単純ヘルペスウイルス(HSV)HF-10ベクターを使って腫瘍を破壊すると共に、卵巣癌治療のkey drugであるタキソールをprodrug化し、腫瘍での同薬剤活性化酵素(Rabbit Carboxylesterase)をHSVアンプリコンにより発現させることで、腫瘍細胞を選択的に殺傷する戦略を追加し、従来のウイルス療法単独による効果をより増強する新たな治療システムを確立することを目的としている。平成15年度において、HSVの複製開始点(oriS)とパッケージング配列(pac)を含んだブラスミドDNAにrabbit carboxylesterase遺伝子を組み込んだプラスミドDNAを作製した。この遺伝子発現制御に関して、組織非特異的ではあるが高発現誘導可能なCMVプロモーターと、腫瘍特に卵巣癌で特異的に発現を誘導するIAI3Bブロモーターを組み入れた2種のtransgene用プラスミドDNAを作製した。次いで、HSVの増殖に必須な遺伝子であるICP27とパッケージング配列(pac)を欠くヘルパーHSV BACDNAを調製し、これらのDNAをVero2-2細胞に同時にトランスフェクションすることで、HSV粒子にrabbit carboxylesterase遺伝子が組み込まれたアンブリコンベクターを2種類作製した。これらのアンプリコンベクターは、親ウイルスは含まれないものの10^4pfu/mlのtiterしか得られなかった。そこで、平成16年度においては、アンプリコンベクターの回収titerをあげることを目標とした。当初、親ウイルス:アンプリコンベクターの比率が100:1であったが、現在1:1となりかつ10^6pfu/mlのtiterが得られている。さらに親ウイルスの細胞障害性を軽減する手法を検討中であるが、今後、MDR強発現細胞株であるKBC-2,KOC7C細胞を用いて、活性化酵素発現効率およびタキソールプロドラッグの抗腫瘍効果を検討する予定である。
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