研究課題/領域番号 |
15591857
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
大橋 俊孝 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (50194262)
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研究分担者 |
李 勝天 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (90325093)
二宮 善文 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (70126241)
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キーワード | ランビエ絞輪 / プロテオグリカン / ヒアルロン酸 / リンクプロテイン / ノックアウトマウス |
研究概要 |
1.Bral1ノックアウトマウス視神経ランビエ絞輪の組織学的・形態学的検討 (1)ランビエ絞輪外マトリックス構造形成・維持への影響:光学および電子顕微鏡レベルでの観察により、ランビエ絞輪、側絞輪、髄鞘の構造には野生型と大きな変化は見られなかった。 (2)Naチャンネルの分布に与える影響について:側絞輪の分子(例えばcaspr等)が欠損すると側絞輪の構造異常だけでなく、絞輪のNaチャンネルの集積、発生過程でのNaチャンネルのアイソフォームの変化異常が観察される。絞輪のテネイシンR分子を介したNaチャンネルへの影響の可能性が考えられたが、Bral1ノックアウトマウスでは影響はなかった。 (3)ランビエ絞輪へのグリア細胞突起の形成:versicanはBral1を介してヒアルロン酸に結合する。テネイシンR分子の局在もみられる。それらECM分子がグリア細胞の接着を調節している可能性が考えられた。マトリックス電子顕微鏡での観察、およびGFAP染色によりアストロサイト終足の接着を観察したが、野生型との比較では接着の仕方、その頻度に大きな差はみられなかった。 2.視神経電気生理学的実験 ランビエ絞輪のヒアルロン酸、およびversicanのグリコサミノグリカン鎖が局在し、集積していることからランビエ絞輪外のイオン環境を整えていると推測している。視神経をBral1ノックアウトマウス,野生型マウスからとりだし、活動電位伝播速度を測定した。その結果、25%程の伝播速度減少がみられた。活動電位伝播に重要な役割を果していると考えられる。 3.ランビエ絞輪外マトリックス形成機構の解明:Bral1ノックアウトマウス、テネイシンRノックアウトマウスなどを用いて、免疫組織化学的手法により、ランビエ絞輪外マトリックス形成機構を検討した。まだ、観察は不十分ではあるが、形成にはヒアルロン酸-Bral1結合が必須であるという結果を得ている。
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