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2004 年度 実績報告書

急性網膜壊死の病態解明

研究課題

研究課題/領域番号 15591859
研究機関徳島大学

研究代表者

塩田 洋  徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (20035736)

研究分担者 江口 洋  徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (30314868)
四宮 加容  徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (80322262)
キーワード急性網膜壊死 / ARN / 単純ヘルペスウイルス / HSV / 水痘・帯状疱疹ウイルス / 蛍光抗体法 / シクロスポリンA
研究概要

急性網膜壊死は、1971年世界で初めて浦山らが報告した疾患である。本疾患の病因ウイルスとして単純ヘルペスウイルス(herpes simplex virus, HSV)と水痘・帯状庖疹ウイルスがある。HSVには1型と2型があり、欧米では1型、本邦では2型による症例が多いと言われ始めている。そこで急性網膜壊死がHSV1型と2型により病像に差があるのか、1型と2型により感染力に差があるのか、細胞性免疫力の低下が病像に影響を与えるのかなどを家兎を用いて実験的に解明を試みた。なお平成16年度は感作した家兎を用いて実験を行なった。感作は1型を実験に用いた10匹の家兎には1型を、2型を用いた10匹の家兎には2型を用い、家兎の背中皮膚にHSVを2度接種することにより成立させた。
シクロスポリンAが投与されていない感作家兎をC群、シクロスポリンAが投与され細胞性免疫の低下した感作家兎をD群とした。C群5匹の家兎の両眼硝子体中にHSV1型を、他の5匹の家兎の両眼硝子体中には2型をそれぞれ0.1ml接種した。D群も同じ処置をした。そしてこれらC群とD群の家兎を、2カ月間にわたり眼底検査を含む臨床経過を観察し、毎週写真撮影を行なった。HSV接種2カ月後にこれら眼球を摘出し、病理検査用にホルマリン固定した。
C群においては1型を接種した家兎も、2型を接種した家兎も、ほぼ同様の臨床経過をとった。即ちHSV接種1週間前後には視神経乳頭の充血と浮腫および硝子体混濁が観られた。その後炎症は消退を始め3〜4週間後には炎症は消失した。これに対し、シクロスポリンAが投与されたD群の家兎では炎症が強く、多くの兎が1週間ほどで視神経乳頭が透見困難となり、炎症の消失には6〜8週間を要した。これらの結果から、HSVでは型による病像や感染力の差は認められなかったが、細胞性免疫が低下していると重篤な病像を呈することが判明し、急性網膜壊死を発症する人間においても、何らかの免疫異常を来している可能性が推測された。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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