研究概要 |
大学動物実験施設内、生物学的封じ込めレベルP2実験室内において、遺伝子組換え、動物個体への遺伝子導入設備の整備を完了した。 実験1.Wildマウス(成体)に対して、liposomeを用いて直接局所投与し、当該ベクターによる動物個体の標的細胞への遺伝子導入効率、有効持続時間、最大効果時間と安全性を明らかにする。 動物と方法 HR-1 strain(雄、体重30g)24匹。VEGFh165-pBLAST plasmid(Invirtogen)6μgとPlus. ReagentをD-MEM培地600μlで希釈し,Lipofectin(Invivogen)24μlを含む同量のD-MEM培地と室温で15分混合し、DNA-liposome複合体を作成した。動物を無作為に4群に分け、全身麻酔下に保定し、手術術3日前、手術時に、8mm間隔でソケイ部に皮弁の内外皮下、皮弁下筋肉内に直接注入した。 細胞導入効率評価: 7日後まで連日に皮弁の経過をデジタルカメラで撮影した。7日後に麻酔下で組織を採取し10%ホルマリンで固定、H&E連続切片10枚を作成し、40倍にてデジタルカメラで撮影した。撮影画像はデジタル画像データとして、画像解析ソフトにて計測、面積を算出した。有効注入組織層と部位別効果、最大効果時間を検討した。 結果 最大効果時間は3日であった。手術日のみに皮弁内外の皮下に注入した群で、7日目の面積で最大60.1%の生着を認め、対照に対して1.01倍の増加を認めた。VEGF plasmid-liposome複合体の投与による副作用と考えられる所見を認めなかった。生着面積および組織切片の血管内腔総長、面積の統計解析については現在解析中である。
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