研究課題/領域番号 |
15591906
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
土佐 眞美子 日本医科大学, 医学部, 助手 (30301568)
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研究分担者 |
モハマッド ガジザデ 日本医科大学, 老人病研究所, 助教授 (30190979)
平井 隆 日本医科大学, 医学部, 助教授 (40208799)
川並 汪一 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (70096973)
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キーワード | ケロイド / 培養線維芽細胞 / Wntシグナル / Axin / 遺伝子解析 |
研究概要 |
[目的]ケロイドの発生機序は未だ解明されておらず、われわれはケロイド原因遺伝子の解明および新治療法の確立を目指して分子レベルの解析を行ってきた。DNAマイクロアレイ法によるケロイド原因遺伝子の解析を手始めに、ケロイド発生と細胞周期との関係を追及し、癌関連遺伝子であるCdc25A遺伝子の発現がケロイドにおいて上昇していることを明らかにした。これまで行ってきた研究を発展させて、本研究では、マイクロアレイ解析の結果、ケロイドで発現上昇を認めた癌関連遺伝子β-cateninに着目しケロイド発生との関連性について検討した。 [方法]平成16年度はケロイドにおけるWntシグナル関連分子、すなはちWnt(β-cateninの上流)、Axin(β-cateninを抑制する)等の発現をRT-PCRおよびウエスタンブロット法によって解析した。コントロールとして、正常真皮および正常真皮由来線維芽細胞においても同様の解析を行い比較検討した。手術摘出組織を凍結保存および培養し、mRNA、タンパク抽出を行い、それらをサンプルとして各遺伝子発現を解析した。 [結果]mRNAレベルではケロイドにおいてWnt遺伝子発現が30例中20例において増強していた。ケロイド30症例中22例(73%)にタンパクレベルでWnt発現上昇認めた。また、19例(63%)にAxin発現の減少を認めた。以上より、ケロイドにおいてWntシグナルが動いていることが予測され、ケロイド発生との関連性が示唆された。
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