研究概要 |
【目的】ラット間葉系幹細胞を用いた同種移植を行い、骨形成能と移植部位における幹細胞の免疫学的拒絶について検討し、幹細胞同種移植の臨床応用の可能性について明らかにする。 【方法】(1)材料:Lewis雄ラットをdonorとして用い、recipientは、Brown Norway雌ラット(同種異型)と、Lewis雌ラット(同種同型)を用いる。Lewis雄ラットの大腿骨からflash out法により採取し、第2継代まで培養した間葉系幹細胞をコラーゲンで3次元培養する。(2)手術:Recipientラットにプレート、釘固定し、6mmの大腿骨骨欠損部を作成し移植する。免疫抑制剤の投与法により術後1週間連日投与後1週間隔日投与した群(1群)と手術当日に単回投与した群(2群)、さらに同種同型移植群(3群)とに分け検討する。 【評価】(1)骨評価は、移植後2,4,6,8週で軟X線撮像、6ポイントスケールを用いて行っている。(2)組織学的評価は、雄の幹細胞を雌に移植するため雄にのみ存在するY染色体を検出するためにfluorescence in situ hubridizationを行い、移植細胞の生存期間、部位を評価している。 【結果】現在3群とも骨形成、骨癒合がレントゲンで確認された。組織学的検査では、リンパ球浸潤などの炎症反応はみられない。fluorescence in situ hubridizationについて現在手技を確立した。この手技を用いて、移植幹細胞の推移の検討を行う予定である。
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