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2003 年度 実績報告書

急性サリン中毒における非コリン性中毒作用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15591920
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

長尾 正崇  名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80227991)

研究分担者 磯部 一郎  名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (30315907)
前野 善孝  名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (00145749)
キーワードOrganophosphorus agent / Astrocyte / PC-12 / bis (isopropylmethyl) phomphate
研究概要

サリン類似物質bis (isopropyl methyl) phosphonate (BIMP)のアセチルコリンエステラーゼ阻害以外の生体への作用機序を明らかにする目的で、PC12細胞に対してBIMPを添加したところ、WST-8によるアッセイ上、15μMで24時間後の生存細胞数を有意に減少させ、150μMでは生存細胞はごくわずかであった。この効果は未分化なPC12細胞に対しても、NGFで神経細胞様に分化したPC12細胞に対してもほぼ同様であった。死滅した細胞の多くは浮遊しており、基質上に残存している細胞について、はっきりした形態的変化は認められなかった。ミクログリアに対してもBIMPは同様の細胞障害性を示し、またスライドグラスに培養した場合、形態的にも細胞質部分が減少し球形を示す細胞の増加等の変化が認められた。アストロサイトに対しては顕微鏡観察上、及びDAPI染色後の細胞数計測等ではBIMPによる細胞数減少の傾向が認められたが、WST-8によるアッセイでは刺激開始後24時間の時点でアストロサイトによるこのtetrazolium saltの還元が亢進していた。しかし、やはりtetrazolium saltの一つであるMTTを使用したアッセイではBIMPによりMTT還元能は低下しており、BIMPはアストロサイトのWST-8還元能に関わる代謝系あるいは酸化還元系に影響を及ぼしていることが示唆された。
さらに、BIMPで培養ラットアストロサイトを刺激すると、広がった細胞体を有する形質性アストロサイトから細長い突起を持った線維性アストロサイトへの変化が引き起こされたが、この形態変化はdiisopropyl fliorophosphateでは誘導されなかった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Ichiro Isobe, Yoshitaka Maeno, Masataka Nagao et al.: "Cytoplasmic vacuolation in cultured rat astrocytes induced by an organophosphorus agent requires extracellular signal-regulated kinase activation"Toxicology and Applied Pharmacology. 193. 383-392 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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