イオントラップ型LC/MSであるLCQを用いて、救命救急ならびに法医学領域において比較的見受けられる約200種類の薬物についてそのMSおよびMS/MSスペクトルを測定し、ライブラリー構築ソフトXcaliburによりライブラリーの構築を行った。MS/MSスペクトルの得られなかったものもいくつか存在した。またバルビタール系の薬物、有機リン系農薬などは十分にイオン化されずスペクトルを得ることがで不可能であった。MSスペクトルの特徴としてはほとんどの薬物において[M+1]^+イオンがベースピークとして出現するのが認められた。また、構造式もしくは組成式をスペクトル上に貼り付けるとともに質量数、CASナンバーも記載した。スペクトルの測定は、Source type : ESI、Capillary temp:270℃、Sheath gas flow:90unit、Auxiliary gas flow:30unit、Polarity : Positive、Source voltage:5.80kV、Capillary voltage:16V、Max ion time:200ms、MS/MS測定においてはIsolation width:2.0m/z、Nomalized collision energy:40.0%と測定条件を一定にして測定した。LCはHP1100Seriesを用い、条件は移動相は7.5mM酢酸アンモニウム溶液からアセトニトリル(0.05%ギ酸含有)へとグラジエントを行い、流速は0.2ml/minとした。カラム各社より入手可能な数種類のカラムを使用し、薬物の保持時間、その溶出ピークの性状や大きさなど少し検討を加えたところ、今回ライブラリーに載せた薬物の多くはカラムでの分離・検出の可能性が示唆された。
|