研究課題/領域番号 |
15591929
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
竹村 元秀 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (70192169)
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研究分担者 |
森谷 正之 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 講師 (80303981)
米原 典史 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (70124534)
姜 英男 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (50177755)
吉田 篤 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (90201855)
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キーワード | 口腔感覚 / 疼痛 / 三叉神経感覚核 / 体性局在 / ホルマリンテスト / 顔面皮膚感覚 / GABA / c-Fos |
研究概要 |
口腔の感覚を伝えるニューロンは、顔面の皮膚感覚を伝えるニューロンと異なり、C線維が占める比率が小さい。中枢神経でも、口腔領域支配神経は三叉神経感覚核群の吻側に多く投射し、尾側亜核への投射が少ないが、顔面領域支配神経はその逆の投射様式を示すことを示してきた。中枢内で、口腔領域と、顔面領域とで、感覚情報処理機構に差があるかどうかを研究した。 ラットの顔面皮膚または舌粘膜にホルマリンを注射し、その後に現れる疼痛関連行動(PRB)を定量した。顔面領域へのホルマリン注射は、注射後5分以内に急性痛を示すPRBを示し(第1相)、10分後には鎮静を示した後、15-45分に持続的なPRB(第2相)を示す2相性の経過を示したが、舌粘膜への注射では、5分以内の急性痛を示すPRBを示した後、鎮静期を認めず、徐々に減少する持続的なPRBを認めた。 ホルマリン注射の10分前にGABA_A受容体のアンタゴニスト、ビククリン前投与の影響を調べた。ビククリンの前投与により、顔面領域へのホルマリン注射後の第2相のPRBが減少したが、その他の相や、舌粘膜へのホルマリン注射後のPRBは有意な変化を示さなかった。 注射2時間後のc-Fosの発現を定量し、舌・顔面領域のホルマリン注射で、ビククリンの前投与により、尾側亜核浅層部のc-Fos発現が減少した。 ホルマリン注射後に認められる第2相のPRBは、尾側亜核浅層部のc-Fosの発現量のビククリン前投与による変動に顔面領域では関連を認めたが、舌では認めなかった。
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