研究課題/領域番号 |
15591929
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
竹村 元秀 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (70192169)
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研究分担者 |
姜 英男 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (50177755)
吉田 篤 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (90201855)
米原 典史 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (70124534)
森谷 正之 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 講師 (80303981)
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キーワード | 三叉神経降圧反応 / 疼痛 / 一酸化窒素 / 低体温療法 / 神経毒性 / 神経因性疼痛 / 感覚制御 / 口腔・顔面 |
研究概要 |
口腔・顔面の疼痛が血圧変動を起こすことが臨床で問題となっている。昇圧、降圧いずれかに変動するかが、刺激前の血圧に依存することを明らかにした。刺激前の血圧が高ければ降圧に、低ければ昇圧反応を起こす。疼痛が身体の内部環境を保つためのホメオスタティックな情動であるという最近の考え方に沿うデータである。三叉神経降圧反応に関与する中枢経路とそれに関与する神経生理活性物質、及び受容体陽性細胞を免疫組織学的に明らかにした。 口腔・顔面の侵害刺激にともない三叉神経感覚核に発現するc-Fos発現を免疫組織化学的に定量し、その発現がGABA作動性薬物で変動することを明らかにした。c-Fos発現の熱痛覚過敏反応に及ぼす意味を調べるため、起炎剤(アジュバント)注射後に起こるc-Fos発現をc-fosアンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドを脊髄腔に投与し抑制し、その結果熱痛覚過敏反応が抑制されることを明らかにした。c-Fos発現を通した疼痛制御が確認され、それが働くとされる各種遺伝子のAP-1領域に結合する女性ホルモン受容体や、疼痛に密接な関係のある自律神経系への関与が示された。 虚血後の神経損傷を防止するのに、低体温療法が有効であることを、大脳皮質培養ニューロンを用いて明らかにした。 疼痛は臨床における重要問題であり、その中枢制御に、自立神経系、(性)ホルモン、老化、匂いが密接に関与することを示唆している。一連の研究実績をもとに現在口腔・顔面領域のホルマリンテストを行い、疼痛関連行動に、性差、匂いが影響するかを調べ、有意な結果を得ているが、未発表である。
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