研究概要 |
平成15年度の解明目標:1.ビリン発現の普遍性、2.ビリン発現細胞のシグナル伝達分子発現 1.哺乳類から魚類まで全ての脊椎動物の味蕾にビリンが発現するか、以下の動物について免疫組織化学によって検索した。〔実験動物:ラット、モルモット、マウス(哺乳類);カメ、トカゲ(爬虫類);カエル、イモリ、サンショウウオ(両生類);ドジョウ、コイ、ナマズ(魚類);メクラウナギ(無顎類)〕その結果、使用した全種類の味蕾にビリン陽性細胞が確認された。特に、カエルの味蕾の味受容細胞は特徴的な形態を呈するので、その判別は容易である。そして、この受容細胞の形を有する細胞が特異的にビリンの陽性反応を示した。この所見は原著論文として発表した(Yoshie et al.: Histochem.Cell.Biol.,Vol.119,pp.447-450,2003)。 2.ビリン発現細胞が同時にPLCβ、IP3R、gustducin、PDE5などのシグナル伝達分子を発現しているか、哺乳類(ラット、モルモット)の味蕾について、二重免疫染色法によって調べた。その結果、ビリン陽性細胞の一部あるいは大部分は、これらシグナル伝達分子陽性反応を示した。特に、IP3R-3陽性細胞はビリン陽性細胞と完全に一致した。したがって、哺乳類においてもビリン陽性細胞は味受容細胞であることが強く示唆された。
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