研究課題/領域番号 |
15591957
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
吉村 文信 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (50001962)
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研究分担者 |
西山 宗一郎 愛知学院大学, 歯学部, 助手 (30343651)
池田 健 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (80241131)
村上 幸孝 愛知学院大学, 歯学部, 助教授 (60239506)
永野 恵司 愛知学院大学, 歯学部, 助手 (60367620)
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キーワード | トランスポゾン / 嫌気性菌 / 線毛 / FimA線毛 / MFA線毛 / 二成分調節系 / 環境変化 / 温度感受性 |
研究概要 |
1.Bacteroidesに応用可能なトランスポゾン(Tn)で、改良型Tn導入系をP.gingivalisへ使ってみたが、このTn導入系は本菌には適さないことが分かった。つまり充分な転移効率を示さなかった。従って、以前の導入系を使って線毛欠損株の取得を図り、いくつか可能性のある株を取得して解析を進めている。 2.線毛の産生を調節している二成分系FimSRの働きについて、特にレスポンス・レギュレーターであるFimRが、fimAの転写に直接働いているのか、間接的に働いているのか、作用する部位の解析が米国で研究する西川らによって進められた。fimA遺伝子の上流にあるPG2130遺伝子の転写に働いて、この遺伝子産物が線毛形成に重要な働きをしていることが判明した。 3.P.gingivalisには少なくとも二種類の線毛が報告されているが、MFA (minor fimbriae)と呼ばれる線毛は形態を含め、不明な点が多い。一方、FimA線毛は詳しく研究されてきた。今回、このMFA線毛の主要構成蛋白質(75kDa)遺伝子を遺伝的に欠損させた株、さらにその株に遺伝子を戻した株などを米国の共同研究者から入手した。これらの解析から、長さが短く、比較的均一な長さの線毛で、外膜にその一端を強く固着している事が分かった。さらにFimA線毛を制御しているFimSRとは独立に制御されていること、しかし、その産生量は両者でバランスが保たれているように推測される結果が得られた。つまり、MFA線毛が過剰に産生ると、FimA線毛が抑制されるようである。 4.培養の温度を上昇させると線毛の産生が低下するとfimAの転写レベルで報告されている。しかし、線毛量の変化は調べられていなかった。そこで、数種類の主要な外膜蛋白質と共に検討すると、確かに線毛蛋白質は培養温度の上昇(37から40度へ)に伴って産生量が低下している事が分かった。
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