研究概要 |
《Qualitative analysis》 (1)In situ hybridization probeの作製と新規ヒスタミンH3受容体Variantの同定 ヒスタミン神経系の重要な制御因子であるヒスタミンH3受容体には,これまで3種類のVariantが報告されている。我々は機知の情報を基にヒスタミンH1受容体,Histidine decarboxylaseおよびβ-Actinプローブを作製したが,ヒスタミンH3受容体プロープ作成時において,我々の研究グルーブはこれまでに報告のない新しいVariantを見出した。より精緻なヒスタミンH3受容体発現解明およびプローブ作製のためには,この新しいVariantの遺伝子情報が是非とも必要であると考えられたため,当初計画した予定に一部追加し,先にこのVariantの遺伝子情報の解析を行うことにした。 解析の結果,このVariantは以下の特徴を持つ事が確認された。 (1)H3Lとして報告されている野生型Variantの第3細胞外ループの前半部分から第3細胞内ループのほぼ半分まで,全長342base(114アミノ酸)を欠失する。 (2)この変異はin-flame mutationであり,ヒスタミンH3受容体遺伝子の第3Exon内で発生している。 以上の解析により新規Variantも含めて検出できると考えられるH3受容体mRNA用プローブを作製した。 《Quantitative analysis》 In situ hybridizationで検討した結果,ダイオキシン(TCDD)投与ラットは対照ラットと比べ,視床下部においてヒスタミンH3受容体mRNA発現が増加し,線条体において低下していることを見出した。他の因子については現在引き続き検討中である。
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