• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2003 年度 実績報告書

中枢神経系における過分極作動性カチオンチャネルの機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 15591965
研究機関岡山大学

研究代表者

舩橋 誠  岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (80221555)

研究分担者 松尾 龍二  岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30157268)
美藤 純弘  岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (20240872)
十川 千春  岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (10253022)
キーワード最後野 / スライスパッチクランプ法 / 過分極作動性カチオンチャネル / ラット / H電流 / Ih
研究概要

実験動物にはSD系の雄性ラット(7-21日令程度)を用いた。通法に従い最後野を含む新鮮脳延髄前額断スライス標本(厚さ150-300μm)を作製した。近赤外光を用いたノマルスキー微分干渉顕微鏡下にて上記の脳スライス標本中に同定した神経細胞からホールセル記録またはアンフォテリシンBを用いた穿孔パッチ記録を行った。ニューロバイオチン注入により記録したニューロンを標識し,細胞形態を観察し,顕微鏡用デジタルカメラにて撮影した。これらの実験から下記のような結果が得られた。
1.最後野ニューロンの過分極作動性カチオンチャネル(H電流)の特徴
最後野の約60%のニューロンからH電流が検出され,その時間依存性の活性化過程は均一であり,異なるニューロン間のH電流において電気生理学的特性の違いは認められず,同部における一定のチャネルタイプの発現が予測された。最後野のH電流は特異的阻害剤であるZD7288投与により著明に抑制され,緩徐脱分極の大きさと速度の減少がおこり放電頻度の減少につながることが分かった。サイクリックAMPに対して低感受性を示すことから,細胞内アデニレートシクラーゼ系を介して奏効する薬物等により修飾を受けにくいことが明らかとなった。
2.H電流を示すニューロンの形態学的特徴
最後野ニューロンは他の部位に比べて大変小さいサイズののニューロン(9-15ミクロン)により構成されているが,H電流を示す最後野ニューロンはその中でもより小さいもの(平均値10.4ミクロン,n=28)が多く観察された。このことは膜の電気的膜容量の測定値の違いとも一致しており,すなわちH電流を示す小さい細胞にはより小さい電気的膜容量が検出された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Higuchi Hitoshi: "Suppression of the hyperpolarization-activated inward current contributes to the inhibitory actions of propofol on rat CA1 and CA3 pyramidal neurons"Neurosicence Research. 45. 459-472 (2003)

  • [文献書誌] Funahashi M: "Role of the cyclic nucleotide-gated channels in pacemaker activity in the central nervous system"Novartis Foundation (Japan) for the Promotion of Science Annual Report. 75-77 (2003)

  • [文献書誌] Funahashi M: "Role of the hyperpolarization-activated cation current (I_h) in pacemaker activity in area postrema neurons of rat brain slices"Journal of Physiology (London). 552. 135-148 (2003)

  • [文献書誌] 樋口仁: "プロポフォールの中枢神経抑制作用に関する電気生理学的研究"岡山歯学会雑誌. 22. 165-176 (2003)

URL: 

公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi