• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2003 年度 実績報告書

新規転写因子DEC1および膜トランスフェリンによる間葉系幹細胞の軟骨・骨分化誘導

研究課題

研究課題/領域番号 15591966
研究機関広島大学

研究代表者

河本 健  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (50224861)

キーワードDEC1 / DEC2 / MTf / Mesenchymal stem cell / Circadian rhythm / Osteogenesis / Chondrogenesis
研究概要

膜トランスフェリン(MTf)トランスジェニックマウスについて解析を行ったところ、体長や体重等には有意差はないももの手や鼻がやや短くなる傾向が認められた。組織検索の結果、肋軟骨成長板の肥大細胞層に軽度の肥厚が認められた。間葉系幹細胞におけるDEC1およびDEC2の発現は、線維芽細胞におけるそれに比べて高く、また、継代を経るに従ってDEC2の比率が上昇した。ウイルスベクター導入によるDEC1の強発現によって、軟骨あるいは骨の分化方向に向かった間葉系幹細胞の分化速度が上昇した。時計中枢におけるリズム遺伝子であるDEC1およびDEC2の末梢組織における発現パターンを調べるために、ラットを明暗(12:12)および恒暗条件下で飼育し、骨および軟骨での遺伝子発現を調べた。Bma1やPerなどのリズム遺伝子とともに、DECにも概日リズム発現が確認された。次に、DECのリズム発現のメカニズムを明らかにするために、DEC1プロモータをレポーター遺伝子に繋いで、概日リズムの調節因子であるCLOCK/BMAL発現ベクターとともに培養細胞に導入したところ、DEC1プロモータの活性が上昇した。さらに、この発現誘導はDECの共導入によって押さえられた。DEC1のプロモータ上には、3つのCACGTGのEボックス配列があり、これらにCLOCK/BMALが作用して遺伝子発現を上昇させ、DEC自身は、この配列に直接結合あるいはBMALと相互作用して、発現抑制を行うことも明らかになった。われわれは、この新たに発見されたDECの遺伝子発現のフィードバックループ(DECループ)は、CLOCK/BMALによるPerおよびCry遺伝子の発現誘導、およびそれに引き続くPER/CRYによるCLOCK/BMALの作用抑制によって構成されている概日リズム調節のフィードバックループ(PERループ)と協調的に作用する新たなモデルを提唱している。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Yamamoto, Y., Kawamoto, T., Negishi, M.: "The role of the nuclear receptor CAR as a coordinate regulator of hepatic gene expression in defense against chemical toxicity"Arch.Biochem.Biophys.. 409. 207-211 (2003)

  • [文献書誌] Yoshinari, K., Kobayashi, K., Moore, R., Kawamoto, T., et al.: "Identification of the nuclear receptor CAR:HSP90 complex in mouse liver and recruitment of protein phosphatase 2A in response to henobarbital"FEBS Lett.. 548. 17-20 (2003)

  • [文献書誌] Kawamoto, T., Noshiro, M., Sato, S., Maemura, K., et al.: "A novel autofeedback loop of Dec1 transcription involved in circadian rhythm regulation"Biochem.Biophys.Res.Commun.. 313. 117-124 (2004)

  • [文献書誌] Butler, B.P., Honma, S., Fukumoto, T., Kawamoto, T., et al.: "Dec1 and Dec2 expression is disrupted in the suprachiasmatic nuclei of Clock mutant mice"J.Biol.Rhythms. (in press). (2004)

URL: 

公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi