研究課題
基盤研究(C)
歯周病原性細菌Porphyromonas gingivalis (P.g.)の産生する2つのシステインプロテアーゼRgpとKgpは歯周疾患の発症および進行に重要な役割をしていると考えられている。非常におもしろいことに、これら2つの酵素はプロテアーゼドメインと血球凝集素ドメインの2つの機能ドメインをもつ構造上類似した酵素である。今回、2つの酵素の中の一つKgpを用いP.g.を利用した発現系を確立することを試み、活性型のKgpを発現させることに成功した。さらに、Kgpの活性中心に点変異を導入し、活性中心の決定を行った。Kgpの予測される活性中心には248番目と249番目に2つのシステインが存在しているため、これら2つをアラニンに置換したコンストラクトを作製し、Kgp発現系と同様の手法を用い変異体を作製した。2つのシステインをなくすとウエスタンブロット法ではKgpの免疫反応物が認められるものの、この変異体には活性が認められないことから、これらのどちらか、あるいは両方がKgpの活性に必要であることが明らかとなった。そこで、さらにそれぞれのシステインをアラニンに置換したコンストラクトを作製することを試みた。248番目のシステインをアラニンに置換したものでは活性が認められたことから、249番目のシステインがKgp活性に必要であることが予測された。また、249番目のシステインをアラニンに置換したものについても同様の結果が得られた。以上のことから、Kgpの活性には少なくとも一つのシステイン残基が必要である可能性が示唆された。
すべて 2004 2003
すべて 雑誌論文 (8件)
J.Biol.Chem. 279
ページ: 10286-10292
Biol.Chem. 385
ページ: 1041-1047
J.Biol.Chem. 280
ページ: 8668-8677
J.Biochem. 134
ページ: 893-902