研究概要 |
マウス骨芽細胞株MC3T3-E1を60mm dish上(αMEM中,10%FBS存在下)で4日間培養後、CO_2 incubator中で低速度制御遠心機を用いて、メカニカルストレスの一つとして重力負荷を行った。重力負荷は2xg,3xg,5xg,7xg,10xgを1分間の停止を含んで15分間連続的に負荷した。ストレス負荷後、total RNAをそれぞれ抽出し、RT-PCR法にてPTH受容体(PTHR)のmRNAの発現量を検討した。7xg,10xgなどの比較的強い重力ストレスを負荷した場合、PTHRのmRNAの発現量は低下した。2xg,3xgなどの比較的弱い重力を負荷した場合、mRNAの発現量に変化は見られなかった。コントロールとして行った実験では、cyclooxygenase mRNAの発現量が重力に応じて増加し、GAPDH mRNAの変化は見られないことを確認した。この結果は我々が振盪機を用いてシェアストレスを負荷した以前の実験結果と異なるものであった。これらの結果はPTHRのmRNAの発現量レベルが負荷環境によって微妙にコントロールされていることを示すものであり、PTHの連続投与と間歇投与の違いに反映されるものである。次に、PTHRの蛋白レベルでの動態を検討するために、PTHRとGreen Fluorescent Protein (GFP)と連結した発現PlasmidとFLAGエピトープと連結した発現plasmidを構築した。現在、これらのPlasmidをMC3T3-E1細胞およびプライマリー骨芽細胞、骨細胞様株MLO-Y4-A2細胞に導入し、メカニカルストレス(重力負荷)によるPTHRの脱感作への効果を検討している。
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