研究課題/領域番号 |
15591978
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
木崎 治俊 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (60051653)
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研究分担者 |
山本 康人 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (80200848)
太田 一正 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (30307376)
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キーワード | AMP活性化キナーゼ / 胸腺細胞 / アポトーシス / 細胞生存 / MAPキナーゼ / Bcl-2ファミリー |
研究概要 |
マウス胸腺細胞はデキサメサゾンやエトポシドでアポトーシスが誘発される。ストレス応答酵素であるAMPにより活性化されるキナーゼ、AMPKをaminoimidazole-carboxamide-riboside(AICAR)の前処理で活性化すると、デキサメサゾンで誘発されるアポトーシスはほぼ完全に、トポイソメラーゼ阻害剤であるエトポシドで誘発されるアポトーシスは約50%の抑制がみられた。エトポシドによるアポトーシスはprotein kinase C(PKC)を活性化するTPAの同時処理によりほぼ完全にまで抑制された。すなわちAMPKの活性化がアポトーシスの起動を抑制したか、細胞生存系を賦活化したと考えられる。細胞生存を賦活化するERKの活性化とTPAによるその持続が観察されたが、MEK/ERK経路の阻害剤の存在下でもアポトーシスの回避が観察され、ERK系による生存回路の賦活化は関与していないと考えられた。 アポトーシスの進行をミトコンドリアレベルで抑制するBcl-2ファミリーであるBcl-XLの発現がアポトーシスの進行に伴い減少し、逆にアポトーシスを促進するBaxの発現は増強する。AMPKの活性化はこのBcl-XLの発現低下を抑制し、Baxの発現増強を抑制する。今後AMPKによるこれらの転写制御機構の解明が必要であろう。 AMPKはα、β、γのサブユニットからなりそれぞれにまた2-3個のイソフォームがあり、それらのmRNAの発現をリアルタイムPCRで測定する方法を確立した。臓器によりその発現が特徴的であり、それらの量比が細胞の機能を特徴をづける可能性が示唆された。また、AMPKそのものにホモロジーをもつ酵素の存在も明らかになり、アポトーシスの回避と始動に関わっていることも考えられ、その解析の必要性も示唆されるにいたった。
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