研究概要 |
1)AMPKのイソ酵素の発現とアポトーシス制御機構 マウス胸腺細胞AMPKは他の臓器とはことなり活性サブユニットα2,と制御サブユニットβ1,γ1の三量体から構成されている.飢餓ストレスにより胸腺細胞のアポトーシスによる著明な萎縮が起きる。AMPK各サブユニットmRNA,タンパクは時間依存性に発現が上昇した,この発現は低血糖によるものではなくグルココルチコイドによるものであった.各サブユニットの遺伝子上流にグルココルチコイド反応性領域が2-3箇所あり,ルチフェラーゼ反応によって発現誘導が確認された.一方,低血糖によりAMPKαのリン酸化による活性化が喚起された(投稿中)。また、飢餓による咬筋の萎縮は老人の嚥下障害の一因にもなるが、その際にもAMPK発現が増強された.また咬筋では,誕生から成獣になる過程で,筋線維のタイプ変化に伴いその発現がことなり,筋線維の変化にも関わっていることが示唆され,その機能の多様性が明らかにされた(投稿中). 2)AMP活性化キナーゼ(AMPK)の活性化機構と細胞生存系シグナルの解析(木崎,太田) AMPKのAMPK活性化はBaxのmRNAとタンパクの発現抑制とBcl-xLのmRNAとタンパクの発現を誘導し、多様な刺激によるアポトーシスを抑制した(78回日本生化学会)。しかもプロテインキナーゼCの活性化が加わるとその効果は促進されたが、これには生存シグナルであるERK, NFkBの活性化とは異なる過程が関与していることが明らかなった。実験の過程でAMPKの活性化だけではなく、低濃度のアデノシンがその受容体や細胞内でのリン酸化とは関連せずにアポトーシスの抑制機構があることが明らかになり新しい展開をしめした。
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