研究課題/領域番号 |
15591996
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
久保 典子 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (00234485)
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研究分担者 |
岩崎 裕一 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教授 (30151723)
堀 安裕子 徳島大学, 医学部, 助教授 (10238769)
久保 宜明 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (10260069)
工藤 隆治 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (10263865)
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キーワード | センチネルリンパ節 / 頭頚部悪性腫瘍 / 悪性黒色腫 / RT-PCR法 / Tc標識フチン酸 |
研究概要 |
悪性腫瘍からのリンパ節転移は最初はセンチネルリンパ節(歩哨リンパ節)と呼ばれるリンパ節から始まり、順次周囲のリンパ節に拡大していくものと考えられている。したがって、原発巣からリンパ管を経由して、最初に到達するセンチネルリンパ節を同定し、そのリンパ節に腫瘍細胞がなければ、その先のリンパ節に転移はないと考えられる。この考えをもとにして、近年センチネルリンパ節を生検し、転移を認めた場合にのみ所属リンパ節郭清を行う方法が欧米に広まっている。 センチネルリンパ節の同定法には色素法とRI法があり、昨年度にRI法による皮膚および頭頚部悪性腫瘍のセンチネルリンパ節生検について当院倫理委員会において承認を得た。 今年度、四肢および頭頚部の悪性黒色腫患者5症例に対してセンチネルリンパ節生検を実行した。その際センチネルリンパ節内に転移があるかどうかは、同リンパ節の多数の連続切片を作成し、通常のHE染色に加えて免疫組織学的検討をも施行する必要があった。悪性黒色腫はその発生学的特徴より種々の腫瘍特異的抗原を発生していること、およびそれら抗原に対するT細胞の反応性はすでに確認され、多数のT細胞エピトープが発見されている。それらのほとんどはメラニン合成に関する酵素タンパク群である。我々はRT-PCR法を用いて、メラノーマ特異抗原であるチロシナーゼ、MRT-1、gp100を特異的プライマーで増幅し、2症例に実際にセンチネルリンパ節の微小転移を発見することができた。 また頭頚部悪性腫瘍においては、原発巣から所属リンパ節までのリンパ管の距離が短く、センチネルリンパ節が原発巣と近接している場合が多く画像上描出されにくいという手技的問題があった。RIコロイド径を検討した結果、Tc標識フチン酸が最適であることがわかった。さらに、その投与量、注入〜撮像までの時間、撮像方法を検討した。
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