研究課題/領域番号 |
15591997
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
片山 郁夫 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (80295089)
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研究分担者 |
佛坂 由可 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (10244089)
中村 卓 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30172406)
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キーワード | 電離放射線 / atheroselerosis / マクロファージ / PPARγ |
研究概要 |
アテローム性動脈硬化病変(atheroslerosis)は動脈内皮表面における小さな斑点状の脂肪沈着として認められるが、これは主としてコレステーロールエステルを多量に蓄積したマクロファージ(泡沫細胞)が集積したものである。このatherosclerosisは一般的に高脂血症が原因とされているが、放射線治療の副作用としても発症することが報告されている。また、Peroxisome proliferator-activated receptor γ(PPARγ)がatherosclerosisを惹起する原因因子の1つであることはよく知られている。本研究では、電離放射線によりatherosclerosis発症にPPARγが関与していることを明確にすることを目的とした。平成15年度においては、単球芽球様細胞株U937細胞において、(1)電離放射線によって細胞膜表面にCD36が誘導され、このCD36によって細胞質内へのコレステロールの取り込みが制御されていること、(2)PPARγのligandであるtroglitazoneはCD36の発現を抑制し、さらにはコレステロールが取り込みを抑制すること、(3)またPPARγも電離放射線によって核内に誘導されるが、RNAiによるPPARγの抑制によりCD36の発現が増加すること、を見出した。これらの結果より、電離放射線が誘導するathorosclerosisに対してPPARγは抑制的に作用している可能性があることが示唆された、以上の結果は、日本歯科放射線学会第46回関西・第38回九州合同地方会(2003.11.大阪大学)および、第26回日本分子生物学会(2003,12.神戸ポートアイランド)において発表した。平成16年度は、ヒト末梢血単球において同様の研究をすすめた。その結果、ヒト末梢血単球においてもU937細胞と同様のことが観察され、実際に生体においても、電離放射線が誘導するatherosclerosisに対してPPARγは抑制的に作用している可能性があることが示唆された。
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