研究課題/領域番号 |
15592000
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
河野 憲司 大分大学, 医学部, 助教授 (50214664)
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研究分担者 |
平野 公彦 大分大学, 医学部, 助手 (20325723)
高橋 喜浩 大分大学, 医学部, 助手 (60347028)
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キーワード | 口腔扁平上皮癌 / サイクリンD1 / GSK-3β / 細胞外マトリックス / PI3K / Akt |
研究概要 |
1.培養環境下での口腔扁平上皮癌(OSCC)細胞におけるサイクリンD1蛋白発現の変化 当科で保有しているOSCC細胞株(MOK101、MOK201、SCC9、SCC25)はいずれにもサイクリンD1遺伝子増幅を認めなかったが、単層培養下でのサイクリンD1蛋白の発現量はSCC9>MOK101=MOK201>SCC25の順に強かった。またSCC9のサイクリンD1発現には単層培養(confluent、semiconfluent)や浮遊培養などの培養環境による変化は認めなかった。 次に、1型コラーゲン、フィブロネクチン、ラミニン5上でSCC9を培養した。これらの細胞外マトリックス(ECM)上でSCC9の増殖は、ECMをコートしていない培養皿に比べて有意に亢進し、同時にサイクリンD1発現量が軽度に増強した。さらにECM間でのサイクリンD1 mRNA発現の違いを定量的RT-PCRで検討している。 2.サイクリンD1発現とリン酸化GSK-3β発現の関連 OSCC細胞においてサイクリンD1発現と活性化GSK-3β(セリン残基がリン酸化している)の発現が逆相関しており、サイクリンD1発現がGSK-3βにより調節されている可能性を示唆された。さらに、Akt発現と活性化GSK-3βの発現を上記のOSCC細胞株で検討したところ、両タンパクの発現が相関する傾向を得た。サイクリンD1発現亢進にPI3K-Akt径路が関与している可能性が示唆された。現在、追試中である。
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