研究課題/領域番号 |
15592002
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
小豆島 正典 岩手医科大学, 歯学部, 助教授 (00118259)
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研究分担者 |
寺崎 一典 岩手医大学, 歯学部, 助手 (60285632)
佐藤 成大 岩手医大学, 歯学部, 教授 (20112592)
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キーワード | 11C-コリン / PET / 頭頸部癌 / リンパ球 |
研究概要 |
1.FDG-uptakeと細胞密度:11C-Choline-PETと従来から行われてきたFDG-PETを比較するため、頭頸部扁平上皮癌45症例を対象に、原発巣の組織学的特性がFDG集積の強弱にどのように反映しているのかを分析した。原発部位は、舌:22例、歯肉:16例、口腔底:4例、頬粘膜:3例であった。組織学的悪性度とSUVとの関連性を分析した。grade 2と3、4の平均SUVは、それぞれ6.7、6.1、6.6であった。One-way ANOVAでは、これらの平均値に統計学的な差は認められなかった(p=0.814)。次に、細胞分化度とSUVとの関係を分析した。moderateとwell differentiated扁平上皮癌の平均SUVは、それぞれ6.7と6.1であった。Student t testの結果、これらの平均値には統計学的差は認められなかった(p=0.605)。TNM classification (UICC)における原発巣のT gradeとSUVとの関係について分析した。higher T grade (T3 and T4)の平均SUVは7.45、lower T grade (T1 and T2)のそれは5.03であった。T gradeが高いとSUVは高値を示すことが、Student t testにより明らかになった(p=0.006)。SUVを縦軸に、細胞密度indexを横軸にプロットした結果、cellular density indexが高いほど、SUVは上昇する傾向にあり、これらの間には、直線的で良い相関が認められ(r=0.643、P<0.05、n=15)、癌の細胞密度が高いほどFDG-uptakeは上昇することが明らかになった。 2.リンパ球に対する11C-Choline-uptake:リンパ球は大きくT cellとB cellに分けられる。この研究では、T cellとB cellによるFDGと11C-Choline-uptakeの違いを研究した。マウスリンパ球をマグネットビーズでT cellとB cellにソーティングした。フローサイトメトリーで確認したところ、リンパ球はB cellとT cellにきれいに分けられていた。FDG-uptakeを調べたところ、FDGはB cellによく取り込まれた。それに対し、コリンはT cellによく取り込まれやすいことが示された。
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