研究課題/領域番号 |
15592002
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
小豆島 正典 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (00118259)
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研究分担者 |
佐藤 成大 岩手医科大学, 医学部, 教授 (20112592)
寺崎 一典 岩手医科大学, 医学部, 助手 (60285632)
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キーワード | 11C-コリン / PET / 頭頸部癌 / 18Fコリン |
研究概要 |
^<18>Fで標識したグルコース誘導体のFDGを患者に投与し、腫瘍部位を画像化するPET(陽電子放出断層撮影)が臨床応用され、癌の再発や治療効果の判定に用いられている。本研究は、FDGに代わる新しい腫瘍トレーサーの[^<11>C]コリンに着目し、その腫瘍集積機序を、従来から用いられてきたFDGと比較検討し、^<11>C-Cholineの臨床応用への可能性を検討することを主目的としている。今期には、[^<18>F]コリン自動合成システムの構築と[^<11>C]コリン-PETとFDG-PETとの相違について検討した。 1.[^<18>F]コリン自動合成システムの構築 ^<18>O-濃縮水(ターゲット水)をターゲット物質として、サイクロトロンを用いた核反応^<18>O(p, n)^<18>Fによって得られる[-<18>F]フッ素から[^<18>F]臭化フルオロメチルを経て[^<18>F]フルオロメチルトリフレートを合成した。その後、反応基質であるジメチルアミノエタノールを注入した固相抽出用カラムを通過させ、フッ素化を行った。さらにエタノール、水で洗浄し、生理食塩水で溶出したところ[^<18>F]フルオロメチルコリン注射剤([^<18>F]コリン)が安定的に得られた。 2.[^<11>C]コリン-PETとFDG-PETとの相違 [^<11>C]コリンはFDGと同様、癌病巣に良好な集積を示した。[^<11>C]コリンとFDG集積の経時的変化を観察すると、[^<11>C]コリンは患者投与後10分以内に集積のピークをむかえるのに対し、FDGの集積増大は60分以降も続いた。以上のことから、[^<11>C]コリンは、癌の正診率向上という利点のほかに、FDG使用時よりも検査時間が短くてすむという点でも有利であることが示された。コリンのこのような腫瘍生物学的性質は、[^<18>F]で標識したコリンでも引き継がれることが推測された。
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