研究課題/領域番号 |
15592006
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
森田 康彦 鶴見大学, 歯学部, 講師 (10182255)
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研究分担者 |
和泉 雄一 鹿児島大学, 大学院・歯学総合研究科, 教授 (60159803)
馬嶋 秀行 鹿児島大学, 大学院・歯学総合研究科, 教授 (60165701)
犬童 寛子 鹿児島大学, 大学院・歯学総合研究科, 助手 (00301391)
下田 信治 鶴見大学, 歯学部, 講師 (30139620)
伴 清治 鹿児島大学, 大学院・歯学総合研究科, 教授 (10159105)
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キーワード | 水熱電気化学合成 / アパタイト / 小照射野CT / マイクロCT / 全身用CT / ファントム / 標準化 / ソフテックス |
研究概要 |
1)鹿児島大学(旧)歯学部口腔解剖学講座より既に頂いていた、ヒト下顎頭部の包埋標本を、マルトー(株)にて500μ、250μ、100μに薄切し、間に2mmのアクリルによるスペーサをおいて張り合わせた標準試料を作成した。張り合わせる前に、薄切り片3枚をSOFTEX、M60にて撮影した。この標準試料を日立製マイクロCT、朝日レントゲン製小照射野CT、ドイツシーメンス社製全身用CTにてそれぞれ撮像した。 2)SOFTEXの顕微鏡写真の骨梁構造を基準とし、マイクロCT、小照射野CT、全身用CTで撮影した画像を観察した。画像の観察はすべて同一ソフトウェアーで、同一アルゴリズムで評価するため、既に研究代表者の作成した画像システムKUCHENにDICOMデータ読み込みサブルーチンを作成した。この手法により、3つのCTで、同一標準試料の観察が可能になった。SOFTEXでの骨梁についてはマイクロCTでは、十分再現されていた。一方、小照射野CT、全身用CTでは、再現性は順に劣っていた。しかし、両者には従来喧伝されているような著しい(桁違いの)空間分解能の差は認められなかった。また小照射野CTでは、試料の厚さによる影響は大きく、薄い試料の描出は良くない。このためS/Nの向上には視線方向の画像の加算が重要であることを見つけ出した。 3)伴により作成されたアパタイトをマイクロCTにて観察した。マイクロCTでの観察に先立ち、電子顕微鏡での撮影をおこない、チタン板に針状のアパタイトの生成を確認した。このアパタイトをマルトー(株)にてチタン板より剥離し1)と同一の形状の試料を作成した。試料内のアパタイトについては顕微鏡での確認、撮影をおこなった。しかし、この形状ではマイクロCTではアパタイトを確認することはできなかった。このため直径数mmの低X線減弱な合成樹脂の円筒に低X線減弱な熱可塑性樹脂でアパタイトを埋没した試料を作成した。この円筒型試料についてはマイクロCT上、アパタイトを検出できた。アパタイトの撮影についてはマイクロCTの特性上、高分解能を求める場合、試料を小型化する必要があることが明らかになった。小照射野CTではピクセルサイズから予想されるようにまったく検出することができなかった。 4)歯周病における顎骨の微細な変化を口内法フィルム画像から得る方法については、従来の、岩下、森田、野井倉らのAL当量法に対して、基準参照体を塩化ビニールに置き換えた手法を検討した。塩化ビニール当量法は既に森田により理論計算(コンピュータシュミレーション)が提案されていたが、実際に乾燥下顎骨の撮影をおこない、視覚上も歯槽頂部なと低濃度領域ではAL当量よりも優れていることを確認した。
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