研究概要 |
粉末造形模型による手術シミュレーションを併用した移植骨や高度の骨吸収を伴う症例に対する術前検査法を確立するために。本年度はマルチスライスヘリカルCTの精度の検証と粉末造形模型の精度の解析を行った。 マルチスライスヘリカルCTの精度の検証においては、CT装置はHiSpeed Nxi/Pro (GE)を用い、その装置附属のソフトウェアによりダブルオブリーク画像を再構築した。被写体は乾燥半側下顎骨3体、10箇所を対象とした。マイクロCT画像の計測値をゴールドスタンダードとして、ダブルオブリーク画像の計測値の誤差を求めた。その結果、マルチスライスヘリカルCTの撮影条件、スライス厚0.5mm、スライスピッチ1.5によるダブルオブリーク再構築画像は非常に正確であることが解った。 粉末造形模型の精度の解析においては、骨等価物質(タフボーンファントム、緻密骨、BE-T、京都科学)を川いて15mmx15mmx15mmの階段ファントムを自作した。そのファントムのマルチスライスヘリカルCT撮影を行い、それらのデータを用いて、4通りのしきい値に設定した3次元再構築画像を作成した,それらのデータをSTL形式に変換後、業者委託(Z402System、ナカテック、東京)し、石膏による粉末造形模型を作成した。これらの石膏模型と自作した階段ファントムの寸法を直接デジタルノギスにて計測し、比較した。その結果、2値化値150(CT値換算700)の設定による石膏模型が最も誤差が小さかった。 これらの結果を踏まえて、次年度粉末造形模型による手術シミュレーションを併用した術前検査法を確立する。
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