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2004 年度 実績報告書

再生医療分野における有機的生理活性素材の臨床応用について

研究課題

研究課題/領域番号 15592023
研究機関長崎大学

研究代表者

池田 毅  長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (90244079)

研究分担者 柳口 嘉治郎  長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (50264255)
横田 広彰  長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (90301366)
キーワードキトサン / 再生医療 / 生分解性 / 脱アセチル化度 / リゾチーム / WGA-gold conjuga / Macrophagete / 体性免疫
研究概要

【目的】
ラットを使用した動物実験にて、骨欠損部に填入されたキチン-キトサンの生体内における分解・吸収過程についてレクチン(WGA-gold)およびリゾチームをマーカーとして検討することにある。
【材料および方法】
6週齢のWistar系雄性ラットおよび脱アセチル化度の異なる3種の綿状キチン-キトサン(0、50、100%)を用い、下顎骨下縁とオトガイ孔の間の骨表面から直径約1mm、深さ約1mmの円筒形骨窩洞を形成した後、窩洞内に填入した。術後1、2、3、4週間経過時に各々のラットを潅流固定した後キチン-キトサンが填入されている部位を周囲の骨と共に注意深く摘出し低粘性アクリルレジンであるLR-Goldにた包埋した。厚さ約1μmの超薄切片を作製し、トルイジンブルー染色、およびウサギ抗ラットリゾチーム抗体を用いてImmunogold-silver stainingを行い光学顕微鏡にて観察し、さらにWGA-Gold conjugate法にて透過型電顕観察を行った。
【結果】
術後1週間経過時ではすべての脱アセチル度のキチン-キトサンと関連してリゾチームが認められ、特に0%群に著名であった。また炎症性細胞浸潤は軽微であった。
術後2週間以降はリゾチームの発現が経時的に減少しており、術後4週間経過時では脱アセチル化度100%群ではほとんど認められなかった。
術後すべての経過期間において、脱アセチル化度が高くなるにしたがいリゾチームの発現が減少していた。
また生体内のMacrophageやMonocyteなどの貪食作用による分解を示す所見もみられ、脱アセチル化度が低いものほど、貪食作用を受けることが明らかとなった。
【結論】
キチン-キトサンは生体内酵素であるリゾチームと反応することによって、経時的に生理的分解されることが示唆された。また、リゾチームの免疫染色の程度とキトサンの脱アセチル化度との間には関連性が認められた。すなわち、脱アセチル化度の低いものに対してリゾチームによる分解が有効とされ、また液性免疫のみならず体性免疫系の貪食作用による生体内分解を受けることが示唆された。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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