コンポジットレジンは半透明性を有していることから、着色歯質の色調が大きく反映し、シェードガイドをもとに選択したレジンの色が、周囲歯質の色調と一致しなくなることがある。今日、患者側から求められる歯の審美的治療が多くなるにつれて周囲歯質とカラーマッチングする材料学的研究が重要となってきた。そこで、オペークレジンの重要性に着目し、エステックス^<TM>のオペークレジン7種類を用いて背景色遮蔽効果と色差の偏移を調べ以下の結論を得た。1.全て試料は厚さが厚くなる程TP値は減少し、0.5mmの厚さでA4、B2、C4とD3がTP値45.9〜46.4の高い値を示した。2.白化偏移率はWOが最も大きく、A2、C1、B2、D3、A4、C4の順に小さくなった。黒化偏移率はC4が最も高くA4、D3、B2、C1、A2、WO小さくなった。3.色差の偏移とL^*a^*b^*植相関は、全ての試料において2次関数で高い相関が得られ、L^*値はb^*やa^*よりも高い相関を示した。次に、ポイント4^<TM>のオペークレジンを用いて、着色歯質のL値からオペークレジンの厚さとTP値を予測する手段について検討した。その結果、同一シェードの厚さの違いによるL^*値あるいはb^*値とTP値は良好な相関関係のあることが判明し、本実験では着色歯のL^*値を基にして、その着色を遮蔽するオペークレジンの厚さを算出できることが示唆され、以下の結論を得た。1.本実験に使用したオペークレジンは黒色・白色背景板と黒色・白色象牙質を背景としたTP値の試料の厚さによる減少傾向が類似していた。2.オペークレジンの厚さの違いにおける、TP値とL^*a^*b^*値は良好な相関を示し、L^*とb^*において良好な相関が得られた。3.着色象牙質のL^*値から、近似式を用いて着色に相当するTP値を算出でき、そのTP値からオペークレジンの厚さを予測することが可能と考えられた。
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