コンポジットレジンの透明性を現す指標としてtranslucency parameter(TP値)が用いられている。TP値は白色板と黒色板を背景として、その色差を求めることを基本としており、逆に考えると遮蔽効果の指標として用いることができると考えられる。しかし、各症例ごとにTP値を求め、背景色を遮蔽するオペークレジンの厚さを決めることは臨床的な手法として受け入れにくい。このTP値が半透明性材料に関する背景色の色差をもとに得られることから、白色、黒色象牙質を背景としたオペークレジンの厚さの違いによる色差と、その黒色象牙質背景のL^*値が良好な相関を示すことを利用して、単に測色した着色歯のL^*値からオペークレジンの厚さを予測する方法について報告した。しかし、この予測法が市販の他のオペークレジンにも応用が可能かどうかについての検証はなされておらず、遮蔽に効果的なオペークレジンの厚さを約0.5mm単位で想定できれば、より臨床に即した方法となるものと考えられた。この予測法は分光測色器を臨床応用する際の基本となるものであるが、実際の歯質を使用した場合の遮蔽効果について検証する必要がある。そこで、エステックス^<TM>のオペークレジンを使用して、着色歯のL^*値から必要なオペークレジン厚さを求める方法について抜去歯を用いて検討した。 そして、コンポジットレジンのシェードガイドの色彩学的な分類を行い、これらのことについて第12回日本歯科色彩学会において報告を行った。
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