研究課題/領域番号 |
15592041
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
片倉 直至 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (70005031)
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研究分担者 |
泉田 明男 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (40333827)
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キーワード | 粘膜調整材 / ポリメタクリル酸ブチル / 可塑剤 / レオロジー / 流動性 / ゲル化時間 / 粒度分布 / 分子量 |
研究概要 |
本研究では合成したポリメタクリル酸ブチル(PBMA)系の粉末ポリマーと、環境ホルモンを排除した脂肪族系の可塑剤を用いた新しい粘膜調整材を試作し、研究実施計画に従い以下の点を明らかにした。 1.ポリマーの合成 メタクリル酸イソブチル(isoBMA)とメタクリル酸エチル(EMA)の2種のモノマーを用い、これらの単独重合体(isoPBMA、PEMA)および共重合体を懸濁重合法により合成した。 2.ポリマーの密度および粒度分布測定 ポリマーの粒度は、紛液混合物の流動特性やゲル化時間に関係する。本補助金で購入した密度測定装置により、ポリマーの密度を求め、現有の粒度分布測定装置を用いて粉末ポリマーの粒径を測定したところ、isoPBMAは32μm、PEMAは29μm、共重合体は35μmであった。 3.ポリマーの分子量測定 ポリマーの分子量は主にゲル化後の粘弾性特性に関係する。ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)を用いて、重量平均分子量を測定したところ、isoPBMAと共重合体は28万、PEMAは21万であった。 4.流動特性の把握 粘膜調整材の流動特性およびゲル化時間は、臨床操作上重要な物性である。合成したポリマーと脂肪族系のセバシン酸ジブチル(DBS)にエタノールを加えた可塑剤液との粉液混合物について、回転粘度計により流動特性を詳細に検討した。その結果、ポリマーの化学構造と粒度分布、粉末液比、エタノールの量を適切に選択すれば、生体に安全な新しい粘膜調整材の製造の可能性が示唆された。
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