| 研究概要 |
骨延長を行った顎骨に埋入されたインプラントの周囲組織について、メカニカルストレスに対するリモデリングについて、形態学的検討を加えた。実験動物としてイヌを用い、まず下顎臼歯の抜歯を行い3ヶ月経過したものに対して、骨延長器アルベオワイダー^<【○!R】>(オカダ医材)を用いて顎骨の水平方向への骨延長を行った。骨延長終了後,一定の待機期間を経た後、同部へスクリュータイプのチタン合金製のインプラントフィクスチャーを埋入した。用いたインプラントはリプレイスセレクトテーパード(ノーベルバイオケア社製)で頂部の直径3.5mm、長さ10mmであった。インプラントを植立して3ヶ月経過した後、アバットメントおよびクラウン装着した。コントロールしてクラウンを装着しない群、また、過大な負荷状態のモデルとして咬合の高いクラウンを装着した群を設定した。インプラントとその周囲組織を一塊として摘出し、脱灰薄切切片ならびに非脱灰切片を作成し光学顕微鏡にて病理組織学的に観察を行った。その結果、いずれにおいても顎骨の水平的骨延長を行った領域に埋入されたインプラント周囲には骨形成が認められた。インプラント周囲に形成された新生骨の接触率はクラウン装着群でコントロール群に比べて有意に高かった。また、過大な咬合負荷状態を付与した咬合の高いクラウン装着群においては正常な咬合接触を付与したクラウン装着群とほぼ同程度であった。
|
