研究課題/領域番号 |
15592055
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
田中 康弘 香川大学, 工学部, 助教授 (10217086)
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研究分担者 |
久恒 邦博 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (20037526)
桑野 範之 九州大学, 産学連携センター, 教授 (50038022)
白石 孝信 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (10150468)
澤瀬 隆 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (80253681)
詫間 康子 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教務職員 (60160074)
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キーワード | メタルボンドポーセレン / 焼付界面構造 / 透過電子顕微鏡 / チタン酸化物 / 結晶構造 / イオンプレーティング |
研究概要 |
本年度はイオンプレーティング法を用いてチタン薄膜を作製し、そのキャラクタリゼーションを行った。1.2x10^<-2>PaのAr雰囲気下、100Wのパワーを与えプラズマを生成した。この中で5kV,60mAのフィラメントから電子ビームを発生させ、約6gのチタンを溶解させた。さらに坩塙から基板側へ-500Vのバイアス電圧を与え、イオンプレーティングを行った。10分間のプレーティングで約40nmのチタン薄膜がガラス基板上に生成したことを断面TEM観察で確認した。結晶粒径が10nmを切る非常に微細な組織が形成された。チタン薄膜は成長方向に(002)面が配向する傾向が認められた。 続いて本手法を応用して直径1mmのレジン細棒にチタンをコーティングし、動物実験用インプラントを試作した。本インプラントの特徴は骨埋入実験後、組織と一緒に薄膜チタンをミクロトームで切ることが可能となる点である。ラット大腿骨に埋入し、1-4日後の組織を組織学的、免疫組織学的に観察した。Fibronectinと新生骨との時間空間相関が認められた。血清由来のfibronectinが骨誘導に関わっている可能性を示しており、この結果は本年9月に札幌で開催される第16回国際顕微鏡学会で発表予定である。 本手法から超薄切片作製への展開を検討しており、透過電子顕微鏡観察を行うことで、非常に優れた生体親和性を持つチタンと生体との反応をナノレベルで解明できるように、新たな研究展開を目指している。
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