研究概要 |
本研究の目的は,高効率でリサイクルが可能な試作した水銀を使用しないエキシマガスの超小型冷陰極真空紫外線放電管を長寿命化すると共に数時間で医療用オゾン化オイルを製造できる装置を試作し,実用化することである。 そこで,本年度は水銀を使用しないエキシマガスの超小型冷陰極真空紫外線放電管(エキシマランプ)を開発する目的で,紫外線を透過する石英ガラス管を使用し,電極部と陽光柱放電部とにノズル状の通路を設けて分離し,管内部に電極を持つ放電管を設計し,He, Ar, Ne-10%Kr, Ar-5%Xe, He-5%SF_6,Ar-5%SF_6,He-5%CH_3Br, Ar-5%HCl,Ar-5%HBr, Ar-5%H_2などの単独ガスおよび混合ガスを使用して,排気台上でさらに複数を混合し,填入したエキシマランプを検討した結果、次のことが分かった。 1.ArXeにHCl, HBrを混合することで308nmを安定に発光できる。 2.Ar-Xe-Ne-Kr-HCl-HBrを混合すれば,308nmを強く発光し,オゾンを発生させると共に,殺菌線,蛍光灯用紫外線をも同時に発光させることができる。 3.ArにSF_6を混合することでオゾンを発生させることができ,ArFの193nmの発光がある程度可能であることが推測できる。これにNeKrを混合させることで,ArSF_6の放電の不安定性を軽減させることが可能である。 4.Ar-Xe-Ne-KrにSF_6を混合しなくてもHCl, HBrを混合することでオゾンの発生が起こる。すなわち,オゾンを発生させる紫外線(ArCl, ArBrあるいはKrClなど)が発光している。 5.HCl, HBrなどのハロゲン化合物を混合することでランプを長寿命化できる。 一方,試作した医療用オゾン化オイル製造装置でオゾン化オリーブオイルを合成できることが分かったが、合成にまだ長時間かかる。数時間で合成できるように装置を改良中である。
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