新義歯を製作しても「食べにくい」「飲み込みにくい」と訴える症例がある。このような症例の中には、旧義歯が著しく咬耗していて咬合高径が低下しており、それより咬合高径を挙上させた新義歯を製作した場合におこることがある。義歯製作過程において咬合高径を決定するためには、現在までに様々な方法が考案されており、咬合高径決定の適否は、床義歯補綴の成否に大きな影響を及ぼしていると考えられる。しかし、それらの方法が若年者から高齢者までの幅広いあらゆる年齢層に適応できるのかとなると疑問である。そこで、我々は高齢者における咬合高径の変化が嚥下に影響を及ぼしているのではないかと考えこの研究を企画した。平成15年度は、被験者の確保および被験食の選択においての予備的実験を行っている。現在、被験者の選定には、高齢者を含めた20名を予定している。また被験食の選択では、佐藤らの咀嚼気の評価表から本研究に適した食品を検索している。
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