研究分担者 |
豊田 實 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (30130925)
木本 克彦 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (70205011)
田中 欣也 (田中 欽也) 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (10257305)
園田 勉 産業技術総合研究所, サステナブルマテリアル研究部門, 主任研究員 (80357334)
渡津 章 産業技術総合研究所, サステナブルマテリアル研究部門, 研究員 (90358375)
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研究概要 |
本研究おいては骨組織と接する部位の骨形成の促進と強固な骨接合を得るため,スパッタデポジション法により,Ti金属とβ-TCPのMixture Sputteringを行うことを目的とした.実験方法は個々に独立したRF電源の調整によりコーティング膜の組成のコントロールが可能性についての実験を行った. 15,16年度はβ-TCPターゲットがスパッタリングにより成膜されたコーティング膜の組成性状についての分析検討を行った結果.コーティングされたCa/P層は母材表面に対して均質にコーティングされていることが確認され,Ca,P元素が均一に混在していた.Ca-P薄膜は0が一定量薄膜中に存在し,Cは深さ方向の分析から表層だけに存在することから,コンタミネーションの少ないCa-P膜が出来た. 17年度は,Mixture Sputteringの基礎実験としてRF200w,90minの実験条件により,β-TCPとTi金属のMixture Sputteringを行い,組成分析を行った. 組成分析は,島津社製AXIS-ULTRAにより,コーティング表層から深さ方向への分析を行った.測定条件は,励起電源:モノクロA1Ka(1486.6eV)225W(15kV,15mA),分光径:300x700μm,パスエネルギー:160eV(survey),20eV(narrow).エチング条件は,エミッション電流:15mA,加速電圧:4.5kVエッチングレート:約5.8nm/min(SiO2換算)エッチング時間:5分x7回で行った. 分析結果 1.Surveyスペクトルは,O 1s 35.56%-43.68%,Ti 2p 26.84%一33.09%,Ca 2p 4.52%一6.14%,C 1s 16,79%-20.28%,P 2p 5.14%-8.59%であった. 2.O 1sは,530eVにピークを持ち金属と結合したような状態である. 3.P 2pは,128eV付近にピークがあり,本来のリン酸イオンのピーではなく,リン化合物の状態出ることが考えられる. 以上のことから,リンはリン酸塩として存在するのではなくTiと反応してリン化合物を形成している可能性が示唆された.
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