研究課題/領域番号 |
15592093
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
楠美 昭則 弘前大学, 医学部附属病院, 助手 (90332494)
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研究分担者 |
楠美 智巳 弘前大学, 医学部, 助手 (90322932)
佐藤 寿 弘前大学, 医学部附属病院, 助手 (90311539)
福井 朗 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (70241479)
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キーワード | 骨芽細胞 / 一酸化窒素(NO) / Osteopretegeri / sRANKL / NO発生剤 / NO合成酵素阻害剤 / p38MAPK阻害剤 |
研究概要 |
申請者らは、細胞伸展装置(スカラテック社、当研究室所有)を用いて、正常ヒト骨芽細胞に、7%、0.25Hz周期的伸展刺激法によってOPG産生亢進とsRANKL産生抑制について報告さらに、そのカスケードの関与に、一酸化窒素(NO)とp38MAPKの関与を強く示唆する結果を得て報告した。正常ヒト骨芽細胞とその専用培地は、三光純薬から購入した。 今年度は、伸展刺激を加えない、静止した正常ヒト骨芽細胞に、NO発生剤(NOC18)、NO合成酵素阻害剤(L-NMMA)、P38MAPK阻害剤でそれぞれ添加し、特にOPG産生の効果についてELISAを用いて解析した。まず、NO産生下の解析では、静止した正常ヒト骨芽細胞(5x10^4細胞/ml)に、NO発生剤であるNOC18、0.1、1、10μg/ml濃度で刺激し48時間培養後、OPG産生抑制ばかりでなく、骨芽細胞の増殖抑制が認められた。また、静止したヒト骨芽細胞にNO合成酵素阻害剤-NMMA、1、10、100μg/ml濃度で刺激し培養したところ、これはOPGの産生に効果はなかった。次にP38MAPK阻害剤(SB250380)を10^<-7>、10^<-6>、10^<-5>μMで刺激し培養したところ、むしろ、濃度依存的にOPG産生が抑制された。ただ、10^<-5>μM SB250380は抑制が強いが、細胞毒性も考えられ、さらなる解析が必要である。これに、伸展刺激を加えて、同様の解析を行った。正常ヒト骨芽細胞にNOC18、0.1、1、10μg/ml濃度で刺激と、伸展刺激を同時に加えた後、その細胞培養上清中のOPG、sRANKL産生量の影響について解析したところ、抑制効果はなかった。 今年度は、このことから、正常ヒト骨芽細胞から産生されるOPG産生の経路にはNOはあまり関係なく、むしろp38MAPK経路の関与が示唆された。 来年度は、P38MAPK阻害剤を用いて、mRNAレベルでreal-time RT-PCRまたは、Northern blotting法を用いて、さらなる解析を行う。
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