研究課題/領域番号 |
15592098
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
依田 哲也 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (60242210)
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研究分担者 |
都丸 泰寿 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (50348207)
嶋村 由美子 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (10348287)
星 和人 東京大学, 医学部附属病院, 寄付講座教員 (30344451)
小笠原 徹 東京大学, 医学部附属病院, 寄付講座教員 (20359623)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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キーワード | 再生軟骨 / 液性因子 / 脱分化 / 顎関節 / 統計的手法 / Cdk6 / CGKII / 細胞分化 |
研究概要 |
顎関節の再生医療は口腔外科分野における最重要課題のひとつである。本研究では、近い将来での臨床応用を目的として、顎関節領域における軟骨再生のための基礎的研究を行った。内容は(1)再生軟骨組織作成のための基礎的研究、ならびに(2)骨軟骨細胞の分化制御メカニズムの解明とに大別される。(1)については、使用する細胞として、鼻中隔軟骨細胞と耳介軟骨細胞とを選択した。それは、口腔外科の主要な対象疾患である口唇口蓋裂をはじめとする先天奇形に対する手術の際に入手可能であることや、間葉系幹細胞を効率良く軟骨細胞に分化させることが現時点では困難なため、早期の臨床応用には軟骨細胞による再生を目指す方がより現実的である、等の理由による。まず、(1)安全性の面からFBSは用いない、(2)軟骨細胞の特性を維持した状態で1000倍以上の増殖を獲得する、(3)すでに臨床応用実績のある増殖因子を使用する、という三つの基準をもって、増殖因子の組み合わせの最適化を図り、FGF-2、insulinあるいはIGF-Iの組み合わせが最適であることを明らかとした。ついで、脱分化型軟骨細胞を再分化させるための液性因子の組み合わせを網羅的に検索し、BMP-2とinsulin、甲状腺ホルモンの組合せが理想的であることを見出した。また、いくつかのハイドロゲルについて、軟骨再生における足場素材としての特性を検討した。なお、上記の実験で用いた細胞は、顎顔面領域における先天異常の手術に伴い、廃棄される予定だった軟骨細胞を患者の同意に基づき使用させていただいた。また、(2)については、分子細胞生物学的手法により、CGKIIが軟骨分化に重要な機能を有すること、骨芽細胞、破骨細胞、軟骨細胞の分化においてCdk6が分化抑制因子として重要であることなどを報告し、骨軟骨再生医療の発展に不可欠な骨軟骨細胞の分化増殖メカニズムの解明を行った。
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