• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2003 年度 実績報告書

Wntシグナル伝達分子を標的とした口腔癌の遺伝子診断・治療法の開発研究

研究課題

研究課題/領域番号 15592113
研究機関広島大学

研究代表者

吉岡 幸男  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (20335665)

研究分担者 岡本 哲治  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00169153)
田中 良治  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (50304431)
谷 亮治  広島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (10291486)
キーワードβ-カテニン / 口腔扁平上皮癌 / Wntシグナル / プラスミノーゲン / プラスミン / E-カドヘリン / α2アンチプラスミン / 転移・浸潤
研究概要

口腔癌の浸潤や転移においてはE-カドヘリンとその細胞膜上裏打ち蛋白であるカテニンが細胞間接着を制御する分子として重要な役割を担っており,β-カテニンを含むWntシグナル系は細胞増殖,分化を制御するだけでなく細胞の接着能や浸潤能に関与する因子である可能性が考えられる.
口腔扁平上皮癌細胞においてプラスミノーゲン/ブラスミン系が細胞接着間分子であるE-カドヘリンとβ-カテニンの発現や機能に与える影響について解析をおこなった.プラスミノーゲン処理によりE-カドヘリンmRNA発現は影響を受けないものの蛋白発現が低下し,強度依存的に培養上清中に細胞外ドメイン蛋白量の増加を認め,β-カテニンが細胞膜から細胞質へと移行する結果が得られた.これはE-カドヘリンの切断・断片化に伴う変化でありプラスミノーゲン/プラスミン系を抑制することにより,細胞間接着が亢進し,これに伴い浸潤能,増殖能が低下すると推測されたため,プラスミン阻害物質であるα2アンチプラスミンを遺伝子導入した口腔扁平上皮癌細胞株を樹立し,in vitroでの同様の実験を行った.α2アンチプラスミン高発現細胞株は細胞遊走能が著しく低下し細胞凝集能が亢進していた.E-カドヘリンの蛋白量は増加し培養上清中の細胞外ドメイン量は低下していたことからα2アンチプラスミンはプラスミノーゲン/プラスミン系のE-カドヘリン切断による細胞間接着の低下を抑制したと考えられた.同時にβ-カテニンの細胞質での発現低下が認められた.ヌードマウスを用いたin vivoの実験においてもα2アンチプラスミン高発現細胞は細胞膜でのE-カドヘリンおよびβ-カテニンの発現が亢進し増殖能が低下していた.以上よりプラスミノーゲン/プラスミン系を標的とした扁平上皮癌細胞の分子標的治療の可能性が示唆され,現在,β-カテニンを含むWntシグナル系の解析中である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Yasutaka H., Yukio Y.et al.: "Participation of fibroblasts in MMP-2 binding and activation on the surface of oral squamous cell"International Journal of oncology. 22. 657-662 (2003)

  • [文献書誌] Yasutaka H., Yukio Y.et al.: "Role of stromal thrombospondin-1 in motility and proteolytic activity of oral squamous cell"International Journal of Molecular Medicine. 12. 447-452 (2003)

URL: 

公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi