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2004 年度 実績報告書

がん分子標的としての低酸素応答性転写因子HIF-1αの有用性とその作用機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15592114
研究機関広島大学

研究代表者

吉賀 浩二  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (70112216)

研究分担者 谷本 圭司  広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助手 (90335688)
キーワードhypoxia / hypoxia-inducible factor / hypoxia-response element / oral squamous cell carcinoma
研究概要

hypoxia-inducible factor-1(HIF-1)は低酸素刺激に応答する転写因子で,赤血球生成因子,血管新生因子,解糖系酵素や糖輸送に関する因子等,様々なストレス応答因子を制御していることが知られている.また,その幅広い標的遺伝子群からみて,癌を含む,多くの疾病で重要な役割を果たしていることが予想されている.一方,申請者らは,継続的な研究の結果,HIF-1α活性化が口腔扁平上皮癌の腫瘍内血管新生やそれに伴う腫瘍増殖に大きく寄与していることを発見した.本研究は,口腔扁平上皮癌細胞において重要な役割を果たしているHIF-1α機能を制御する物質が,癌細胞の制御に有効であるか,その作用機構の詳細を分子生物学的に明らかにし,有効で有害反応の少ない,がん分子標的治療へ応用展開することを目標として開始された.解析に用いる細胞株を検討するため,子宮頚癌細胞株HeLaと6種の口腔扁平上皮癌細胞株(KB, HSC2,HSC3,HSC4,KOSC2,Ca9-22)にhypoxia-response element連結luciferaseレポーター(HRE-Luc)を遺伝子導入し,各細胞固有のHIF-1転写活性化能を比較した.その結果,HeLaが最も強い低酸素応答性を示した.一方,口腔癌の中では,HSC2とHSC3が最も強く,KOSC2とCa9-22が中間,KBとHSC4が最も弱い応答性を示した.これらの中でHeLaやHSC2を用いて試した化合物の内,興味深い事に,マレイン酸イルソグラディンは濃度依存的に2相性にHIF-1転写活性化能へ影響を与えた.すなわち,HRE-Luc遺伝子を導入した細胞株を低酸素下培養し,様々な濃度のイルソグラディンにて処理したところ,1〜10nMの低濃度では転写活性化能を増強し,1μM以上の高濃度では抑制(〜50%)作用を示した.本研究において,口腔癌の増殖に関わると考えられるHIF-1機能を制御する化合物を見出し,分子標的治療開発の可能性を示すことができた.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Mutation of the von Hippel-Lindau (VHL) gene in human colorectal carcinoma : Association with cytoplasmic accumulation of hypoxia-inducible factor (HIF)-1α.2004

    • 著者名/発表者名
      Kuwai T. et al.
    • 雑誌名

      Cancer Science 95

      ページ: 149-153

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Single nucleotide polymorphism in the hypoxia-inducible factor-1α gene in colorectal carcinoma.2004

    • 著者名/発表者名
      Kuwai T. et al.
    • 雑誌名

      Oncology Reports 12

      ページ: 1033-1037

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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