研究課題/領域番号 |
15592120
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
守山 泰司 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (70315430)
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研究分担者 |
西原 一秀 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (30253892)
三村 保 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (70028760)
野添 悦郎 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (40208351)
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キーワード | 多血小板血漿 / 唇顎口蓋裂 / TGF-β2 / アルミ当量値 |
研究概要 |
唇顎(口蓋)裂手術に多血小板血漿(以下、PRP)を使用し、その臨床的効果を検討した。 対象は顎裂部自家腸骨海綿骨移植術(以下、腸骨移植術)を行った唇顎(口蓋)裂23名(片側性唇顎(口蓋)裂16名、両側性唇顎(口蓋)裂7名)および顎裂部のインプラント埋入目的で腸骨ブロック移植術と骨延長術を併用した片側性唇顎口蓋裂1名である。 PRPは患者の自己血20mlからSmart Prepシステムで約3mlを作製し、移植骨に混入した。 1.腸骨移植術時年齢は平均8歳8か月であった。 2.PRP中のTGF-β2をQuantikine ELISA kits #DB250を用いてMICROPLATE READER (Model680)で測定した。PRPの血小板濃縮増加率は318.6%で、TGF-β2は134.0±22.7ng/mlと高値を示したが、両者に相関関係はなかった。 3.術後6か月まで経時的にAl当量値を観察できたPRPを使用した唇顎口蓋裂7名(PRP使用群)とPRPを使用しなかった唇顎口蓋裂17名(PRP未使用群)について比較・検討した。PRP使用群の術後1週に対する術後6か月のAl当量値減弱率は91.3%で、PRP未使用群は88.3%で、PRP使用群はPRP未使用群に比べ術後早期の骨再形成を認めたが、血小板濃縮増加率ならびにTGF-β2と相関関係はなかった。 4.腸骨ブロック移植術年齢は15歳4か月で、血小板濃縮増加率は334.7%であった。術後の創傷治癒は良好で創の離開はなかった。術後1週に対する術後1年のアルミ当量値減弱率は85.1%で、骨架橋幅は0.5mmの減少と術後1週とほとんど差はなく、骨幅の吸収はほとんど見られなかったが、インプラント埋入に充分な骨幅でなかったために骨延長術を行った。 PRPは創傷治癒ならびに早期の骨再形成促進と骨吸収防止に有用であることが示唆された。
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