研究概要 |
研究課題が追加分にて採択され研究補助金の楽付を平成15年11月に受領した。しかし、研究開始にあたり文部科学省から当研究内容に関し大学の倫理審査委員会に諮るようにと通達された。そのため、平成16年3,月23日の倫理審査委員会の審査待ちであったが、3月24日付けで承認され、研究に着手できることになった段階である。現在、研究対象となる患者様に対する「研究協力へのお願い」および「同意書」と題した書面ならびに最終的な研究プロトコールが完成している。プロトコールの内容を以下に示す。 対象は、全身麻酔下に下顎枝矢状分割咬合改善術を予定されるASAリスク1〜2の患者とし、これらの対象を無作為にGOS群【30%酸素、70%笑気、セボフルラン1.0〜4.0%】およびTIVA群【酸素、空気、プロポフォール3〜10mg/kg/h、フェンタニール適宜投与】の2群に分け、各種麻酔法下に手術を施行する。(1)手術開始前(2)手術開始1時間、(3)手術開始2時間、(4)手術開始3時間の計4点で静脈血サンプルを各5ml採取する。血液サンプルから血漿エピネフリン、血漿ノルエピネフリン、及び血漿ドーパミン、ACTHを測定する。手術終了後、PCAポンプを用いて鎮痛薬(フェンタニール)を6時間静脈ルートに接続する。患者が痛みを感じ、自身でPCAボタンを押し鎮痛薬のボーラス投与を行った回数、時間、を記録し、手術後の疼痛を評価する。PCAのプログラムは初回ローディング量50mcg、ボーラス量25mcg,ロックアアウトタイム10分、有効投与1時間に4回までとする。PCAポンプは患者が鎮痛薬を何時、何回注入したか自動的に記録することができる。この機能により痛みの大きさを客観的に測定する。また、VASもあわせて記録する。手術中の各麻酔法におけるストレスホルモン量と術後痛の関係を検索する。 この方法により現時点で1症例手がけたが、16年度予算にて、今後両群とも10症例づつデータ集積し、統計解析を行いたいと考えている。
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