研究課題/領域番号 |
15592140
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
渋谷 鉱 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (70130523)
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研究分担者 |
卯田 昭夫 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (30277470)
山口 秀紀 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (50220273)
下坂 典立 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (90297854)
鈴木 正敏 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (60366614)
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キーワード | BIS / 全身麻酔 / 精神鎮静法 / 催眠レベル |
研究概要 |
TCIを用いたプロポフォールによる静脈内鎮静法施行後の、覚醒刺激の有無が、術後の記憶およびBIS値に及ぼす影響について測定した。 [方法] 健康成人ボランティア20名を対象として研究を行った。TCIポンプを用い目標脳内濃度1.3μg/mlとしてプロポフォール投与を開始した。投与開始から1分毎に絵画を被験者に見せ、各測定時におけるBIS値を測定し、同時に推定脳内濃度を記録した。呼名応答が消失した時点でプロポフォール投与を中止した。 プロポフォール投与終了後、積極的に鎮静からの覚醒を促すための刺激を与え続けた群(S群)、およびなんら刺激を与えなかった群(N群)に無作為に10名ずつ分類し、同様の測定を20分間行った。測定終了後に絵画を見た記憶の有無を質問した。測定値の統計学的検討はStudent t-testを用いて行った。 [結果] 1.PPF投与終了後に記憶が再開した時間は、N群では8.8±3.1分、S群では4.3±2.0分(S群)であった。 2.記憶が再開した時点での、N群およびS群における推定血中濃度はS群で有意に高かった。 3.BIS値はプロポフォール投与終了後3分値および4分値でN群が有意に低値を示した。 4.記憶再開時のBISは両群間で有意の差を認めなかった。 考察:積極的に刺激をした時は記憶の回復が早かった。またBIS値に差はないものの、高いPPF脳内推定濃度で記憶が認められていた。このことから覚醒期の刺激の有無により、健忘効果に差異が生じることが示唆された。
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